イケナイ王子様
「じゃあね、愛海。


また今度、会おうね」


「へっ……あっ、うん、バイバイ」


ずっときーちゃんのお姉さんの好きな人のことを考えていたため、きーちゃんに声をかけられるまで気づかなかった。


私が手を振ると、きーちゃんはニコッと笑いながら去っていった。


その姿を見た洋季さんが首をかしげる。


「ねぇ、愛海ちゃん」


「な、なんですか?」


「愛海ちゃんと一緒にいた女の子、誰?」


どうやら洋季さんは、ここに来たときに見たきーちゃんが気になってるらしい。


「あぁ、あの子……きーちゃんは、私の中学時代の友達ですよ。


とっても優しくて、いい子なんですよ」


「……へぇ」


あれ?


洋季さんの表情が変わったような……。


気のせいか。
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