イケナイ王子様
愛情と罪悪感
「うーん……」
洋季さんと別れ、ひとりでカフェに入り、そこで大きく伸びをする。
疲れたなぁ。
今日はひさしぶりに外で遊んだから、体がクタクタだ。
それでもカフェに入ったのは、少しでも落ち着きを取り戻すため。
カフェに入ったのもひさしぶりだ。
たしか、きーちゃんと来たときだっけ?
その日の出来事がなつかしく感じられる。
イチゴのショートケーキと、紅茶を注文して、店の奥側の椅子に座る。
その直後。
「あはは、マジで〜?」
女性の笑い声が聞こえてきて、私は、意識をそちらに向けた。
視線の先には、私より年上だと思われる若い女性3人組が、楽しそうに会話をしている。
なんの会話をしてるんだろう。
気になるな。
ケーキと紅茶が来るかもしれないのに、私は体を女性3人組に向ける。