イケナイ王子様
「ふっ、可愛かったな、キスしたあとのあんたの顔」


「……っ‼︎」


ま、またそんなことを……!


前にも、キスしたあとの顔が可愛いって言ってたような……。


「い、言わないでくださいよ!


もう、お風呂に入ってきます‼︎」


自分の顔が真っ赤になるのを感じながら、翔さんの体を押しのけて、お風呂場に向かう。


今さらだが、キーマカレーの味が、口の中に広がった。


翔さんが歯磨きせずに、私にキスしてきたから……。


でも、嫌な感じはなかった。


右手でそっと、自分の唇に触れてみる。


熱い……。


翔さんが触れたところが熱くなってる。


歯磨きしなかったら、ムードが台なしだ、と思っていながら、私は、翔さんとのキスに酔いしれてたんだ。
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