イケナイ王子様
あっ、そうだ。


ひとりでいてさみしいなら、私も、誰かを誘って、どこかに遊びにいけばいいんだ!


でも、誰を誘っていこう。


今日は平日だから、きーちゃんは無理。


きーちゃん以外の、中学のときの友達も、たぶん無理だろう。


はぁ……いったい誰を誘っていけばいいんだろう……。


そう思ったとき、頭の中に、ある人物の顔が浮かんだ。


そうだ!


あの人を誘えばいいんだ!


きっと、私からの誘いに乗ってくれるはずだ。


よーし。


置き手紙をテーブルの端に置き、掃除を再開した。


まずは、掃除が終わってからね。


そのあとに、あの人を誘って、どこかに行こう。


そう考えると、憂鬱だった気持ちが一気に晴れて、鼻歌を歌いたい気分になった。
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