イケナイ王子様
ものすごく嫌な予感がするんですが……。


大粒の冷や汗が、こめかみに浮かぶ。


「あれ?


もしかしてあんた、俺とふたりっきりってことに興奮してんの?」


「な……っ!」


こ、興奮って……!


そ、そんな、興奮なんてするわけ……。


あるかも……。


だって、翔さんとふたりっきりでいなきゃいけないんだよ?


好きな人とふたりっきりになって、興奮しないわけがない!


なんてことは、恥ずかしくて言えない。


「こ、興奮するわけないじゃないですか!」


「ふーん。


あんた、本当に素直じゃねぇな」


ギクッ!


「ど、どうしてそう思うんですか?」


「俺が『ふたりっきりってことに興奮してんの?』って聞いたあと、一瞬だけ嬉しそうな顔してたから」


嘘……。
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