イケナイ王子様
パーティーのお誘い
「やっぱり……」
その日の夜。
翔さんが、お風呂に入っている最中、知らないアドレスからメールが届いていた。
心当たりのあるメールに、私はため息をついた。
【人の好きな男をたぶらかして、誘惑してんじゃねぇよ!
あんたが翔くんの彼女だってことは、もうわかってるんだよ!
私からのメールをもう二度と受け取りたくないなら、今後いっさい、翔くんには近づかないで。
これは警告よ。
私の言うことを聞かなかったら、どうなるかわかってるよね?
約束、ちゃんと守りなさいよ】
このメールの送り主は、間違いなくミドリさんだ。
しかし、どうやって私のアドレスを入手したんだろう。
不思議でたまらない。
まさか、翔さんがいない間に、翔さんのスマホを調べて、私のアドレスを頭の中で記憶したのだろうか。