イケナイ王子様
☆☆☆
「あ……」
次の日。
目を覚まして、リビングに向かうと、誰かの声が聞こえた。
誰がいるんだろうと思いながら、そっとリビングに顔を覗かせる。
視界に映ったのは、見覚えのある男の人がふたり。
そのふたりを見て、私は思わず声をあげてしまった。
だって、そのふたりが、翔さんと洋季さんだったから……。
私の声に気づいてないのか、ふたりはなにか話してる。
いったいなにを話してるんだろう。
こんなに朝早くから……。
ふたりにバレないよう、足音を立てずに歩み寄る。
「どういうつもりなんだ、お前は」
この低い声は……翔さんだ。
どういうつもり……って、なんのこと?
「なんのことを言ってるのかな?
我妻家の次男坊は」
この余裕そうな声は……洋季さん?