イケナイ王子様
本当は、洋季さんと何度か会ってる。


だから、洋季さんは嘘をついてて、翔さんはなにがあったかを、すでに見抜いてる。


言ってることは、翔さんのほうが正しいけれど、今回の私は洋季さんの味方になる。


翔さんに、洋季さんと内緒で会ってたことがバレないようにするため。


もし、仮にバレたとしても、叔母さんが助け船を出してくれるはず。


「俺はな、お前みたいに、親に甘やかされて育ったお坊っちゃまタイプの男が嫌いなんだよ」


親に甘やかされて育った、お坊っちゃまタイプの人……。


それが、翔さんの嫌いな人なんだ。


はじめて知った。


翔さんに嫌いな人がいるなんて、はじめて聞いたよ。


「ふっ……その言葉、そっくりそのままお返しするよ。


俺も、君みたいな人が嫌いだから」
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