イケナイ王子様
翔さん、素っ気ない……。


「前にもパーティーに参加しましたけど、そのときと同じくらいですよね、パーティー会場の広さと規模」


「あぁそうだな」


また冷たい反応……。


そんなに嫌なら、帰ればいいのに。


私のことを気にかけてくれてることはありがたいけれど。


「私、藤堂さんに挨拶をしにいきますね」


不機嫌な翔さんをスルーして、藤堂さんと洋季さんのもとに向かう。


「え、ちょ……お、おい!」


不機嫌な表情から一変、驚愕の表情をあらわにする翔さん。


私を捕まえようと手を伸ばしているが、私はそれをひらりとかわし、会場の奥へ行く。


藤堂さんと洋季さんはすぐに見つかった。


「藤堂さん、洋季さん!」


私が片手をあげながら声をあげると、ふたりは嬉しそうな顔をした。
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