イケナイ王子様
ちょっと寒いな……。


ジャケットの上に、厚手の上着を着ておけばよかったか?


まぁ、いいか。


そんなことよりも、今は、愛海を家へ連れて帰ることが最優先だ。


早歩きで家に向かう。


帰り道は、街灯がいくつか存在するだけで、ほぼ真っ暗。


けれど、夜の闇のおかげで、歩行者はほとんどいないので、目立たずに済む。


パーティー会場を出て十数分、やっとで家に着いた。


一度、愛海の体をおろし、ジャケットの内ポケットから鍵を取りだし、鍵を開ける。


そして、靴を脱いで家にあがったあと、再び愛海を抱きあげて、愛海の部屋に向かった。


愛海の部屋に向かう途中、愛海の髪の毛からふわっといい香りがただよった。


これ……シャンプーの香り?
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