イケナイ王子様
「か、可愛くないです‼︎


私の顔は庶民レベルですから!」


「えーっ。


愛海ちゃん、すごく可愛いのに」


誠さんが会話に加わってきた。


「か、可愛くなんか……」


「愛海ちゃん、翔、誠。


今は夕ご飯の時間だよ。


そういう話は夕ご飯のあとにしてね」


うっ……。


悟さんに注意され、無意識に顔が熱くなっていく。


「わかりました……」


しゅんとうなだれてみせる私。


「……わかったよ」


少しだけ不機嫌になりながらも、小さくうなずく翔さん。


「はーい」


学校の授業で挙手をする子供のように、元気よく手をあげる誠さん。


そして、夕ご飯の時間が再開される。


誰もしゃべってはいけないと言われたわけではないのに、私を含む全員が黙り込んでしまう。
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