イケナイ王子様
私の登場に、紀野くんは驚いたみたいで。
「あ、愛海ちゃん、どうしてここに……」
声が震えてるよ、紀野くん。
よっぽど驚いてるみたいだね。
「私は、ひとりで買いものしようと思って」
いかん、嘘をついてしまった。
紀野くんは、翔さんと付き合う前に、私をストーキングしてたけれど、ストーキング行為がバレて以降は、なにもしてこないんだ。
だから、紀野くんを警戒する必要なんてないのに。
なんで嘘なんかついたんだろう、私。
「紀野くんは?」
「俺は……出かけたい気分だったから」
そうなんだ。
そう言ったあとの紀野くんの顔が、少し切なそうなものになった気がした。
気づかないフリをしておこうかな……。
「あ、愛海ちゃん、どうしてここに……」
声が震えてるよ、紀野くん。
よっぽど驚いてるみたいだね。
「私は、ひとりで買いものしようと思って」
いかん、嘘をついてしまった。
紀野くんは、翔さんと付き合う前に、私をストーキングしてたけれど、ストーキング行為がバレて以降は、なにもしてこないんだ。
だから、紀野くんを警戒する必要なんてないのに。
なんで嘘なんかついたんだろう、私。
「紀野くんは?」
「俺は……出かけたい気分だったから」
そうなんだ。
そう言ったあとの紀野くんの顔が、少し切なそうなものになった気がした。
気づかないフリをしておこうかな……。