イケナイ王子様
かぁっと顔が熱くなる。


頬に帯びた熱を冷まそうと、頬を自分の両手で包み込む。


しかし、熱はいっこうに冷めない。


あー、もう!


なんで冷めてくれないの?


冷めてほしいのに!


イラつく気持ちをおさえながら、頬をパンパンと叩いた直後。


コンコン。


「はーい」


ガチャッ。


「あれ?


あんた、こんなところにいたのか。


てっきり、買いものに出かけたとばかり思ってたぞ」


ドアの向こうに立ってたのは、スウェット姿の翔さん。


はぁ……スウェット姿もカッコいい……。


スウェットの中から覗く鎖骨が色っぽくて、ドキッとしてしまう。


「買いもの?


なんで、買いものしに出かけたと思ったんですか?」
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