イケナイ王子様
またストーカーだったりしたら……。


心の中でそうつぶやいたとき、ドアをノックする音が聞こえた。


「はーい、どうぞ」


ガチャッ。


「……朝からうるさいんだけど」


「し、翔さん……おはようございます……」


顔をしかめてる翔さん。


起きたばかりなのか、髪は寝グセだらけ、寝間着のスウェットの上下はよれよれだ。


寝起き姿の翔さん、可愛いな……。


じゃなくて!


「ど、どうしたんですか?」


「どうしたんですか、じゃねぇよ。


どうしたんだ、はこっちのセリフだよ。


朝からバタバタしやがって」


あ、あれ?


翔さん、機嫌が悪そう……?


寝起きだからかな?


「あ、朝早くに目が覚めたので、眠気覚ましに、動きまわってただけです」
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