イケナイ王子様
「だったら、家の中じゃなくて、外に出てジョギングとかしろよ」


「あ……ですよね……」


な、なんか口調や表情が怖いんだけど……。


それは気のせいなんかじゃない!


冷や汗が、嫌でも流れてくる。


「あれ?


なんか今日……顔色悪くね?」


「え……」


い、いきなり、なに。


表情をやわらげたと思ったら、突然そんなことを聞いてくるなんて。


「そ、そんなことないですよっ。


いつもどおり、元気ですよ?」


精いっぱいの力こぶを作ってみせる。


できるだけ、心配かけないように。


けれど、私が選んだその選択肢は間違ってたかもしれない。


「……本当に元気なのか?」


そう言った翔さんの表情が、悲しそうに見えたから。
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