イケナイ王子様

☆☆☆

「着きましたよ」


家を出てから1時間後。


私と翔さんは、家の近くのバス停でバスに乗り、5つ先のバス停で降りた。


そして、そのバス停からしばらく歩くと、目的の場所にたどり着いた。


「ここって……」


隣を歩いてた翔さんが、ピタッと止まる。


驚きの感情をあらわにしている。


まさか、私がこの場所まで行きたかったなんて、思わなかっただろう。


「ここは墓地ですよ」


「墓地なのはわかるんだけど……」


「私の両親のお墓がある墓地です」
< 369 / 623 >

この作品をシェア

pagetop