イケナイ王子様
☆☆☆
「着きましたよ」
家を出てから1時間後。
私と翔さんは、家の近くのバス停でバスに乗り、5つ先のバス停で降りた。
そして、そのバス停からしばらく歩くと、目的の場所にたどり着いた。
「ここって……」
隣を歩いてた翔さんが、ピタッと止まる。
驚きの感情をあらわにしている。
まさか、私がこの場所まで行きたかったなんて、思わなかっただろう。
「ここは墓地ですよ」
「墓地なのはわかるんだけど……」
「私の両親のお墓がある墓地です」