イケナイ王子様
「当たり前のように言えるんですね……」


「そりゃあ、当たり前だろ。


逆に当たり前じゃなきゃ、なんなんだよ」


笑顔で言葉を返す翔さん。


その笑顔が、あまりにもまぶしくて。


だけど、太陽のように明るくて。


私を安心させてくれる。


「あはっ、そうですね……」


涙が浮かぶ目を細め、小さく笑う。


翔さんは、そんな私の頭を優しく撫で、美しい微笑を浮かべてくれる。


大丈夫だよね。


翔さんがそばにいれば、ずっと……。


そう思う私のもとに、不審な影は忍び寄っていた。


私が気づかないだけで……。
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