イケナイ王子様
だから、なにも言わずに家を出たことを許してください……。


そう思いながら、F駅の近くで歩く。


早足で歩いたせいか、意外と早く着いた。


あたりを見まわし、怪しい人物がいないか確認する。


キョロキョロ。


うん、誰もいない。


この時間は、駅を使う人がいないからか、人通りがほとんどない。


ちょっと早く着いちゃったかな。


今、何時だろ。


そう思い、スマホを取ろうとしたとき。


「ねぇ、愛海ちゃん」


あれ、この声は……。
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