イケナイ王子様
そのことに後悔しつつ、目の前にいる人物に視線を向ける。


なんかこいつ、見たことある顔……あっ。


「……どうも、我妻さん」


ペコリと、丁寧に頭をさげる男。


かつて、愛海をストーキングしてたやつだ。


「まさか、紀野……か?」


「はい」


紀野がこの家に来るなんて。


愛海へのストーキング以来、二度と来ないと思ってたのに。


また愛海をストーキングするつもりか?


愛海を、また恐怖におとしいれるのか?


そう考えると、無意識に睨んでしまう。
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