イケナイ王子様
私が大好き……。


だから叔母さんは、私に優しくしてくれるんだ。


ありがとう、叔母さん。


私、叔母さんに『大好き』って言われて、涙が出そうになってるよ。


「愛海ちゃん。


とりあえず、お試しに、彼氏に内緒でお見合いしてみない?」


もう一度、お見合いの話をすすめてくる叔母さん。


さっきまでの私だったら、返事に迷っていただろう。


でも、今は迷わない。


もし、お見合いのことを翔さんに疑われても、叔母さんが助け船を出してくれる。


その安心感から、私は首を上下に動かした。


「お見合い……してみます」


「じゃあ、決まりね!


お見合いの日時や場所は、後日連絡するからね」


「わかりました」


「突然、家に押しかけてごめんね、愛海ちゃん。


また後日ね」
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