イケナイ王子様
そう言ったあと、叔母さんは立ちあがり、公園をあとにした。


叔母さんのうしろ姿が視界から消えたと同時に、私も立ちあがった。


歩いて家に向かう。


数分かけて家に着き、はいていた靴を脱いで、きれいにそろえた直後、うしろから声をかけられた。


「誰か来てたのかよ」


「うわぁ!」


び、びっくりした……。


振り返ったら、私の真うしろに翔さんがいたんだもん。


って、あれ?


翔さん、機嫌が悪そう?


き、気のせいだよね、うん。


ここは気づかないフリをしておこう。


「わ、私の叔母さんが来たんですよ。


私のことが心配で、朝からここに来たんですって」


「ふーん」


多少、翔さんの機嫌がよくなったように見える。
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