イケナイ王子様
「そ、そんな……。


君の弟が同級生で、俺の本当の姿を全部見てたなんて……」


う、嘘。


あっさり嘘だと認めちゃったよ。


翔さんの前では認めないと思ってたけど。


「バレバレな嘘つくんじゃねぇよ。


愛海に手を出すことも、なんの罪もない人間を排除すんのも。


お前がやってるのは犯罪なんだよ。


その罪を自覚して、愛海に謝れ」


急に真面目な顔で、冷たい声でそう吐き捨てる翔さん。


そして、私のもとに歩み寄り、横からギュッと抱きしめてきた。
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