イケナイ王子様
きれいに磨かないと、気が済まないから。


歯磨きを終えたあとは、自室に行き、パジャマから私服に着替える。


さらに、髪もコテで整え、姿見で自分の姿を確認してみる。


「……メイクしたほうがいいかな」


ピンクのリップを塗り、チークも薄く塗る。


これでいいかな。


姿見に向かって微笑んだあと、お気に入りのバッグを持って、部屋をあとにする。


そして、鍵をかけ、家を出た。


いったいなにがあるんだろう……。


バッグに入れてた折りたたみ傘を開きながら、私はそう思った。
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