イケナイ王子様
なんともマヌケな声が出てしまった……。


自分の顔が、熱を帯びてくるのを感じる。


「愛海ちゃん……だっけ?


愛海ちゃんって、今いくつなの?」


「え、えっと……今、17歳です……」


「そっか、じゃあ俺と同い年だ」


えっ?


同い年……?


「えっ、あなたも17歳……?」


「うん。


来年の2月に、18になるけどね」


あ、同い年じゃなかった。


この人のほうが学年的にひとつ上だ。


てことは……誠さんと同い年か。


「同い年じゃないですよ。


私、7月生まれなので」


「あっ、そっか。


だったら、俺のほうがひとつ上ってことか」


ははっと笑う男の子……洋季さん。


笑うと右頬にだけえくぼが映えるその姿は子供っぽくて、母性をくすぐる。
< 76 / 623 >

この作品をシェア

pagetop