ノクターン
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小さな頃、
『麻有ちゃんは大きくなったら何になりたいの?』
と母に聞かれて、
『お金持ち』
と答えた事がある。
智くんと出会った頃の 私の夢だった。
日々、余裕のある生活ができる程度のお金持ちではなく、その上の生活をしている人に憧れた。
夏休みに何日も別荘で過ごすことができるような。
一年毎に、成長する毎に それは特別な人だと知る。
普通の人が、手を伸ばしても 届かない夢だと知る。