ノクターン
28
火曜日の夜、智くんよりも 先に帰った私は 妹からの郵便を受け取る。
入籍の際に必要な 戸籍抄本を取って送ってもらった。
少し厚い封筒には 石の教会のブライダルパンフレットも入っていた。
『美奈ちゃんたら』
と思いながら、私は軽くめくって 夕食の準備を進める。
智くんは 帰ってくるとすぐに、それを見つける。
「美奈ちゃんが、戸籍と一緒に送ってくれたの。」と私が言うと
「美奈ちゃん、気が利くね。」
と智くんは、婚姻届を バッグから取り出す。
「食事が終わったら、一緒に書こうね。」
「ありがとう。」
私の胸は、キュンと熱くなり。
私は 智くんの胸に顔を埋める。
「よし、よし。」
智くんは、抱きしめた私の頭を 撫でてくれた。