ノクターン
3
《おはよう。2時過ぎの “ のぞみ ” に乗るから 4時頃東京駅に着くよ》
翌朝9時に康平からのLINEが届く。
私はまだベッドの中で。
《了解。4時に銀の鈴で》と返信する。
出張の時は ホテルが上司と同室なので、あまり連絡しないようにしていた。
私の事務的な返信も 康平は不信に思ってはいないだろう。
昨夜の余韻がまだ醒めていないのに 康平と会うなんて。
私が会いたいのは智くんで、康平ではない。
でも康平にちゃんと話さないと智くんには会えない。
ふう、とため息をついてスマホを手に取る。