ノクターン
10
ロッカールームで美咲に会うと、
「麻有子、昨日は 大丈夫だったんだね。今日の麻有子、一段と幸せそうだよ。」
と言われた。
ランチタイムに昨日の事を美咲に話す。
「いいなあ。麻有子、最高じゃない。すごく素敵なお母さんだね。」
美咲は笑顔で言う。
「お母様を裏切らないように、私も頑張らないと。」
「いいんじゃない、今のままで。何か 最近の麻有子 すごく良いもん。目が優しくなったし。柔らかくて、温かくて。人って こんなに変わるんだなあって思うよ。」
「今までの私、相当 ひどかったみたいに。」
「ひどい、って訳じゃないけど。近付き難い感じがあったから。二課の男達が噂しているよ。高村さん あんなに可愛かったかなって。」
「美咲、からかわないでよ。」
私は、全く気付いていなくて 赤くなってしまう。
「いいの、いいの。当分 麻有子は 幸せボケしていなさい。」
美咲のそんな言葉に、はにかむ私は 本当に変わったと思う。