屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
かなり長い間、また無言で
メニューと睨めっこしていた様だが
気を利かせたおやじさんが
テレビのチャンネルを
変えついでといった感じで
彼等にボソリと、注文を聞く
それでやっとホッとしたのか
すぐ背後に居る、彼等の空気が
一気に、軽くなったのが判った
「 …へ〜
メシ食い放題っていいな 」
「 また来ようぜ!
来週もスタジオ入るしさ! 」
「 つか、時間ヤバくね?
食ったらすぐに、電車乗らないと 」
「 別にいいじゃん、学校なんか… 」
「 俺はヤベえんだよ
ちょっとケータイ取って
乗り換え案内見てみるわ 」
「 つかデビューしたら
学校やめるし、俺 」
「 …外国行きてえよな〜、やっぱ 」
「 テストとか、マジうぜー… 」