屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
フワリと 花の香り
背中にぬくもりと、腰に絡まる白い腕
「 ―― あずる? 」
見上げる瞳
少し困った、猫に似た仕草
「 …よくもまあ
こんな獰猛なの、手なずけたもんだ
ほら、腰巾着みたいにくっついてねえで
もう、暖簾しまうぞ! 」
「 遅くまですみませんでした
ご馳走様です 」
「 ごちそうさまでした 」
「 あ、お前達よ 」
「 う? 」
「 はい 」
「 もし ―――
音楽とかやめて、やる事なくなったら
ウチの田舎、来ないか
兄さんガタイいいし、米作って
… そうすりゃあ、芸能人だなんだで
騒がれる事もないだろう 」
「 その節は、是非お願いします 」
「 リュウジ、即答?! 」
「 わははは!
まあ、気に留めて置いてくれりゃいい
じゃな!!気をつけて帰れよ 」