屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 ねえねえリュウジ 」
「 ん? 」
「 "腰巾着"って、なに? 」
「 イソギンチャクの仲間 」
「 … 絶対ウソだー! 」
「 "深海は、謎だらけ"なんだろ? 」
「 そうだけどー 」
二人笑って
道の先に待つ 皆の所へ
明けて来た空
日の昇り始めは、どの時間よりも
一瞬、ビルの陰が濃くなる
眩しい光を受けて 電車の、走って行く音
それから
立ち止まる ―――