屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
突然瞬いた閃光
闇から 一気に光
そして、炸裂音
『 お帰りなさい!!あずる!!』
「 おかえり!! 」
「 おかえりなさいッ!! 」
「 え… え?!え?! 」
シャンパンの泡
舞う紙吹雪
集まったのは笑顔
歓声と、たくさんの拍手 ―――
「 ノッポさん、あずる
ベタな出迎えで済まないわね 」
「 オミヨさ…? 」
「 戻って来たアンタに
一体何してやろうかしらって…
皆で悪巧みしてたんだけど
結局、こんなのしか思い浮かばなかった
やっぱり年寄りは
メルヘンチックでダメね 」
「 おめでと!王子…って
花嫁さんには失礼だったわネ
これ、ここの皆で一個づつ
ベールにお花、刺繍したの 」
「 刺繍なんか、久しぶりにやったなあ 」
「 アハハッ マサヤくんたら!
でも上手! 」
「 あらッ!花嫁が泣いちゃ、ノンノン!
このブーケで早く、涙を隠すのよ! 」
「 マサヤさ…サナ… ミナコちゃ… 」
「 急ごしらえだからね
慌ただしいのは勘弁しとくれ
ちゃんとしたのは、何れやるだろうけど
アタシらが行ける座じゃないしね 」
「 え…
その時は私、皆のちゃんと… ! 」
「 おバカ!
アタシらみたいのが
大挙して押し寄せたら
皆、目の玉飛び出ちまうよ!! 」
沸き上がる笑い声
「 そうよ〜
花嫁さんより派手なドレス
着て行く気満々だし〜? 」
「 ―― それにさ
アンタはもう、立派なお姫様だ
こんな所に
ガチで出入りしてたなんて
お前は女の子なんだよ ―――
いいイメージは持たれないもんさ
まあガキでも出来たら、連絡おくれ 」
「 うん…っ!!連れて来る…!! 」
「 … またおバカ!
こんな場所に、物心つかないうちから
連れて来ちゃダメだろ!
―― さ!荷物こっちにお寄越し!
ステージの上にあがるんだ
さっ
ノッポさんも、ほら! 」
「 ―― オミヨさん 」