屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
冷凍室の奥で眠っていた鮭
カレーを作った残りの、ジャガ芋と玉葱が
焼き鮭と味噌汁、味噌炒めという
立派な朝食に生まれ変わった
「 …おかわり 」
「 おかわり 」
白い湯気の中
ほぼ同時に差し出された茶碗
あずるは満面の微笑みで頷き、飯を盛る
「 ――… あっ! 」
「 どうした? 」
「 リモコン…リモコンどこどこ?! 」
突然、テレビの前
辺りを手探りし始めたあずるに
リモコンを渡す
「 ありがとう! 」
途端に、何か文字が映っていた画面は
昨日の様々な試合の結果を伝える
スポーツニュースの番組に切り替わった
「 何か見逃したのか? 」
「 う… うん!! 」
「 …アズ
俺、占いとか気にしないから 」
「 ―― 占い? 」
「 や!本当にちょっとお相撲を…! 」
「 … それに
そっちのチャンネルだとアズが 」
「 え… 」
振り向いた画面に
おどろおどろしい音楽
固まる背中
ほぼ同時に吹き出した、灰谷と俺