屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 店の人達じゃねえよ
突っ込まれたトコで働いてた従業員
軽い裂傷だけどな
今、池上が落ち着かせてるトコ 」
「 病院は? 」
「 … 親にバレるからって
病院行くの、拒んでるんだわ
確か今日、梅川先生のトコ休診だし
来られないかどうか頼んでみる 」
「 … あ、真木さん
先生なら 少し前にメールあったよ 」
「 灰谷 」
「 マジか?! 」
「 …今日も一緒に
来る予定だったんだけど 」
「 で、先生なんだって?」
「 "もう少しで、駅に着く"って 」
「 ナイス!
なら場所言って、ここに来てもらえよ 」
「 … うん、わかった
場所わかるかな…
――― あ 」
「 どうした! 」
「 …もうパーティー
終わったって言ったから
青山さんとこに、向かっちゃったって 」
「 真木
ベース置きたいし、俺が行って来るよ 」
「 お、そっか
そうしてくれると助かる
――― 『Azurite』! 」
「 は… はいっ…?! 」
立ち上がったあずるに
声をかけた真木
「 オマエは、ここで待ってろや 」
「 え… 」
「 騒動、さっそく嗅ぎ付けて
もうチラホラ、マスコミ来てんぞ 」
「 ――… 」
上着に、袖を通した
「 あずる 」
「 ―――… はい 」