屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜




「 ――… 何だよ これ… 」




薄暗く、冷えた階段


小さな窓からの 薄い光だけが差し込む


行く先を遮り
散乱しているのは



タンス





ベッド


割れた皿


ソファ




嵐が通った後の様に、乱雑に荒れた
二階へと続く踊り場


その真ん中に


きちんと椅子に座った "ターミネー熊"




「 …っ!!
ここまでどうやって運…!青山さん!」






「 ―――… ハルトだね 」


「 … アズ 」




あずるの手には
白い 紙ヒコウキがひとつ





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