屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜







事務所


正常に、機能を始めたエレベーター




踊り場


腕まくりをした鵜野さんが
飲み物を持って立っていて


その足元

ベースと熊を、胸に抱え
小さく背中を丸めた姿があった




「 ―――― あずる 」




「 リュウジ… 」




振り向いた顔


けれど


いつもなら勢いよく
飛び付いてくる筈の体は
静かにその場へ、座り込んだままだ




「 ―― 青山くん、あずるちゃん
残ってる小間物、一緒に戻そう
そしたら二人とも 少し眠れ 」




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