屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜



眼を閉じて


あずるの重みを感じながら
ゆっくりソファに沈んで行くと


まるで自分達が




――― ここが、水槽の中で


魚 ―――


――… 海月になってしまった様に思える




「 … くらげみたい 」


「 あずる…? 起きたか…? 」


「 うん… 」




潤んだまま見上げて来る
ラムネ瓶の瞳


まだ濡れた睫毛に
そっと キスをした ――――




「 … お帰り あずる 」



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