屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 何時だ?水族館開くの 」
「 十時だよー 」
「 そろそろ用意始めるか 」
「 はーい!
リュウジ、昨日のコート
また借りてもいい?」
「 聞かなくても、好きな物着ろ 」
「 …うんっ!」
ここで暮らす事に決めた後
水槽と、少しの衣類だけを
車に乗せて、移動して来た
ベットに拡げられているのは
三枚の長袖Tシャツと、ミニとジーンズ
――― 冬物を買おう
あずるは寒さに強いが
ただ、冷たさに慣れすぎていて
判らなくなっているだけの時もあるから
「 リュウジー 後ろ取れない… 」
「 ん?」
あずるが見せて来たのは
固結びになってしまった
エプロンの腰紐
すぐにそれは解けた
ベットの上
あずるの膝の下には
エプロンの裾と
散らばるパジャマ
「 … や
…ぁ… 恥ずかしいよ… 」