屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜






「♪Teddy bear, Teddy bea,
Touch the ground.

Teddy bear, Teddy bear
Turn around.


Teddy bear, Teddy bear
Show your shoe.

Teddy bear, Teddy bear
That will do.


Teddy bear, Teddy bear
Run upstairs.

Teddy bear, Teddy bear
Say your prayers.


Teddy bear, Teddy bear
Blow out the light.

Teddy bear, Teddy bear
Say good night…♪ 」




「 マザーグースの子守唄か 」


「 うん!
おばあちゃんに、教えてもらった 」




あずるが歌う 夕暮れの海


まだ微かに 夏の破片


風は柔らかく吹いて、暖かい




砂浜には、ジョギングしている人と
海から上がって来るサーファー


ボディーボードを抱えた、その女の子は
まだやり始めたばかりの様子で
一緒に居る青年に、何か説明を受け
顔を拭いながら、一生懸命頷いている




「 … 青山さん
のんびりしてていいの?! 」




――― あのシーツを見た瞬間


『奴だ』
そう思った




そして同時に、ホッともしていた


『奴』ならあずるに
危害を加える事は、絶対に無い




今なら判る


『奴』は、俺が庇うかどうかを見る為に
わざとあの灰皿を、あずるに投げた


そうやって試した




だから俺の元にあずるが居る事を
あの時、あの場だけは許した




けれど ――――


『奴』は
あずるを守り切れなかった俺を
永遠に、認める事は無いだろう





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