屋上海月 〜オクジョウクラゲ〜
「 ――… リュウジ? 」
夜半
軽く夕飯をとった後
奴にしてははしゃいでいたせいか
"交代時間には起こして"と
灰谷は早々に、ソファへ横になり
梅川さんが、木箱にマットレスを敷いた
急ごしらえのベットで眠る中
俺の横にいたあずるが
突然パチリと目を醒ました
「 トイレか…?」
ボリュームを下げたテレビでは
何度か見た事のある、今流行りのドラマ
「 ううん…あのね…? 」
「 うん 」
「 … 平気なんだよ? 私 」
『平気』という言葉の中には
沢山の意味があって ――――
それを聞こうとした時
枕元にある、あずるの携帯が震える
――― メール
あずるはあまり、メールを使わない
連絡して来る
俺のよく知っている人間達も
俺は暫く見つめていたらしく ―――
「 マサヤさんからだ 」
「 ――… マサヤ? 」