キスして、ねぇダーリン?
モヤモヤ彼女の決意
私は大学のカフェテリアで、友人と食事をしつつおもむろに呟いた。
「ねぇ、付き合って二ヵ月になるのにキスの一つもないってヤバい? 私って、そんなに魅力ないかな?」
そんな私の呟きに、向かいの席に座ってきつねうどんを食べていた友人の美樹はむせ込んだ。
「ぐっ、ゴホゴホ……。 菜々美さんや、昼のカフェテリアで唐突にぶっこんできたね」
「そりゃ、今の私の切実なる問題だもの。美樹は恋愛方面強いじゃない?」
私の目の前でむせた美樹は、見るからにあか抜けた美人さんで、スタイル良し、人柄良しのモテ女子である。
そんな彼女にはお付き合いしている男性がしっかりいるし、そんな彼氏とは仲良くしているのを見かける。
一つ上の先輩と付き合ってる美樹は、私にとったら恋愛面の先輩である。
そんな私、久世菜々美は二ヶ月前にようやく初めての彼氏が出来たばっかり。
お相手は私より九つも年上の会社員の男性。
大人な彼にはなかなか本気にしてもらえなかったり、厳しい状況だったものの諦めきれずにアタックし続けて一年。
ようやく、いい返事がもらえてウキウキだった私。
でも、気づいた。
付き合って一ヵ月経ってもキスしてない、手は繋ぐし腕は組むけどキスは無し。
そのまま二ヵ月に突入するも、現状何もないまま至っている。
これはお互い成人している者同士の付き合いとしてどうなの?!
考え始めたらキリがなく、私はもうネガティブな渦にどっぷり浸かってしまったのだ。
そこに来て、今日久しぶりに会った美樹にこう聞くのも仕方ないと思う。
そう、私はかなり切羽詰まっていた。
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