密室でふたり、イケナイコト。

「特訓の話と、こ、告白されて…
付き合うことにはなったけど…!」

本人の前でこんなこと言うのは、ちょっとあれかもだけど……

「特訓に付き合うって言ったのも、彼女になるって言ったのも全部わたしだもん」


自分でそう言った以上、成宮だけの問題じゃないじゃん。

いくら日頃ムカつくとか思ってても、流石に責任押し付けたりなんて絶対にしないよ。

「わたしが叩かれたのは、全部相沢さんたちがやったこと」


「それに、成宮助けに来てくれたじゃん」


「っ……」


わたしがどれだけ救われたか、どれだけ嬉しかったか。


一瞬だけど、

ほんの一瞬だけどね?

成宮の好感度、わたしの中でちょっとは上がったんだからね?

いつもダルそうだとか、興味無いってすました表情してるのに。

息が切れるくらい、急いで走ってきてくれて。

今はわたしのことを心配して、いつもの表情が崩れて、苦しそうな顔して。


好きって言われて、自分が憧れの……

アニメに出てくる、可愛いヒロインみたいになれた気がして。


「……嬉し、かったんだから」


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