密室でふたり、イケナイコト。

「えっ…と、なり、みや?」


片っぽの頬が大きな手で包まれて、唇を親指でそっと撫でられる。


「っ……」


その瞬間、全身にビリッとした感覚が走って。

ドクドクと心臓が脈打つのが分かる。


「なり、みや……?」


こわくなって再度名前を呼べば、熱のこもった瞳がまっすぐわたしの唇をとらえていて。

まるで、肉食動物が獲物を狙ってるみたいでぞくりとする。


「お前としたい」


「え……?」


「お前のココに」


グッと唇を親指で押さえられ、


「………キス」


後頭部を引き寄せられ、時間をかけてゆっくり囁かれた。


それはもう…蜂蜜のように甘ったるく。

鼓膜が震えるような低音で。


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