密室でふたり、イケナイコト。


コツンとぶつかるおでこからも、後頭部に回された手からも。

触れられたところぜんぶから、じんわりと熱が伝わってくるみたいで、


頭がクラクラするくらい、熱い……

ドッドッドッと心臓が早く動いている。


絡まりそうになる視線から逃げたくて、目線を下に向けると、ポンポンと頭をなでられてその熱は離れていった。


「ほっぺた、りんごみたい」

「なっ……!」


頬をツンツンとされて、また顔の熱が上昇してしまう。

何度も頭の中でこだまする、成宮のことば。



なにがどうなったのかははっきり覚えてない。



成宮の声が、視線が雰囲気が……

そのぜんぶがおかしくなるくらい甘すぎて。


ほんの数十秒の間の出来事なのに、とっても長い時間息ができていなかったように感じる。

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