密室でふたり、イケナイコト。
「つーかまーえた」
ふっと笑って後ろから伸びてきた手はわたしの身体をすっぽり覆う。
耳元で聞こえた声はぞくりとするもので、
すぐにシトラスの匂いでいっぱいになる。
窓の珊についたわたしの手に片手が重ねられ、お腹の前にもう一方の手が回る。
「な、なりみ……」
冷めたはずの熱がぶり返してきて、心臓がドッドッドッと激しく暴れ出す。
「さっきの話だけど」
さっきの話って、つまり……
「ゆずきが思ってる通り、キスの話」
「!!?」
な、なに今の!?
耳たぶに感じたやわらかい感触。
ま、まさか……
き、キスされたーー!??