密室でふたり、イケナイコト。
「まさに美男美女だよね……」
「片瀬さんも十分可愛いけど、春名ちゃんと並ぶとね……」
「やっぱり格が違うっていうか…」
同じクラスの女子たちがコソコソ話してるのが嫌でも耳に入ってくる。
「ゆずちゃん、あんなの気にしちゃダメだよ!」
「あたしからあの子たちに言ってこようか?」
「だ、大丈夫だよ、全然気にしてないし……」
だって実際、その通りだから……
スタイルだって、羨ましいくらい。
「ゆずきっていう、可愛い彼女がいるっていうのに、なんなのあの子?」
「いくら友達だからって、ゆずちゃんの目の前でしていいことと、悪いことがあるでしょ!!」
「2人とも……、ごめんね、心配かけて。
わたしは大丈夫だから。ありがとね、りみっち、はーちゃん」
ニコッと笑ってそう言えば、2人とも心配そうにだけど、笑いかけてくれた。
わたしのために怒ってくれる。
それだけで十分だよ……
「それでね、それでっ!!
って、瑞稀聞いてる!?」
「あーもう、うるさい…
聞いてるっつーの」