密室でふたり、イケナイコト。
立っているわたしの目の前に来たと思った
ら、ずいっと屈んで顔を近づけられて、甘ったるい声で囁かれる。
「な、なによ、それ……っ」
とろけそうな顔って、一体どんな顔してたの!?
なんとなく自分の姿が想像できて、顔からブワッと火が出そうになる。
「そのまんまの意味。そんな顔でここにいても、絶対勘繰られてたと思うけど?」
「うっ……」
それは、反論できない……
「なんてのは冗談で」
「なんだ、冗談か……」
ほら、やっぱり嘘………
「お前の可愛すぎる表情、誰にも見せたくなかったから」
「なっ…………!!」
「マジで襲いそうになったくらい」
「!!!?」
お、襲うぅぅぅぅーーーー!!!??
今とんでもないワードを耳にした気が……
「ば、バカっ………!!!
何言ってるの!!?」
「いって……っ!!
ったく、叩くなよな」
真っ赤な顔でバシバシと叩くわたしに、成宮が、真面目な顔で本気なんだけど……とつぶやいていたことは知る由もない。