密室でふたり、イケナイコト。
「きゃっ……!」
「ぎゃあ……っ!」
透き通るような可愛い悲鳴と、女子らしからぬわたしの声が聞こえたのはほぼ同時。
「っと、危な……っ」
ガタンゴトンと揺れる電車で、悲しいほど体幹がないわたしは上手く立ってられず、倒れる寸前のところで成宮に抱き寄せられた。
「大丈夫か?」
「う、うん……っ」
び、びっくりした…
倒れるかと思った………
「危ねぇから、抱きついててくれてもいいけど?」
「バ、バカ……っ!」
誰がするかっての!!
さすがに抱きつくことはできず、ギュッと成宮のシャツを掴んでうつむくと、クスッと笑われた。
自分から抱きつくとか、いくら密集してるとはいえ、ハードル高すぎる……っ!!
今はこれが精いっぱい……
恥ずかしさを堪えて掴む手に力を込めたとき。
視線を感じて顔を上げれば、
「っ!!」
なんで、ここに……
「春名」
成宮の腕にしがみつく、春名ちゃんがいた。