密室でふたり、イケナイコト。

「成宮の言葉とか、行動にいちいちドキッとしたり、心臓がおかしくなりそうなくらい緊張したり。ほんの少しの間、話せなかっただけで寂しくなって」

「さっきだって……、手を繋がなかっただけで、成宮との距離を感じちゃって。
成宮といると、自分が自分じゃないみたいで……」

今、成宮がどんな顔をしているのかは分からない。

意気地なしなわたしは視線を逸らしたまま、言いたいことを言ってしまった。

その瞳で見られたら、たぶん……

なにも言えなくなってしまうから。


「バカ、みたいだよね……わたし。ごめんね、一方的に。しかも変なことばっかり言っちゃって。
雨、ちょっと止んできたし、かえ……っ!!」


帰ろ、そう言って早くこの場から立ち去りたかった。

幻滅した、何自分勝手なこと言ってんの、そう言われるのが怖くて。


口では大げさに、気にしてない風で言ったけど、内心は恐怖しかなくて。

拒絶されるんじゃないか、軽蔑されるんじゃないかって。


そう思って立ち上がろうとしたのに―――


「んんっ……!!」


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