密室でふたり、イケナイコト。


スマホのメッセージアプリを開いてみても、特に連絡は来てなかった。

来るわけ、ないか……


「ていうか、侑……この間から成宮の話ばっかりするね?」


ちなみに侑も、成宮=NAMIと知ってる数少ない人物。


「まあ、成宮先輩には感謝してるし?」


バスケ部の先輩と色々あったし、あの時の侑、絶望したような顔してたから、ちょっとは心配してた。

姉として、謝りに行くべきかなって思ってたくらいには。


生意気だけど、わたしからしてみれば大事な弟だし?

先輩相手に失礼なことしたかなとか、あの後主将さんとうまくやってるかなとか。


だけど、それは全くの検討違いだったようで。


「なんか、先輩からおびえられるようになったんだけど……
まあ、あの人いつもチャラチャラしてて、ちゃんと部活してなかったから、自業自得でしょ」


とかなんとか。



まあ、寧ろ好都合だったらしく、今では成宮のことを尊敬してるみたい。


ちなみにあの顔は絶望してたんじゃなくて、姉の恋愛模様なんか見たくなかったから、ということらしい。


身内のそんな姿、確かに見たくはないよね……。

うん、でもそれは、わたしのせいじゃないからね、弟くんよ。


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